Fun Run!

先日、生まれて初めてランニングの大会に出場しました。

レースの内容は、42.195kmをチームで交代しながら4時間30分の制限以内に走り切る、といったもの。

我がチームメンバー9名は全員がとある野球チームに所属し、それぞれ日々体を動かすことを続けてきた方々でしたので、走り切ること自体に不安はありませんでしたが、平均年齢が52歳という中高年集団でもあるため、「順位などよりも楽しく走ろう!Fun Run!」がコンセプトのチームのはずでした。

レースは1.5kmのコースを1周ずつ交代して、それぞれ3回(エース1名は4回)走るということで、最低でも1周を8分30秒以内で回れば制限時間以内に走り切れる計算です。

ランナーに馴染みのある言い方に変えれば、キロ5分40秒ペース。距離も短いので、それぞれ調整すれば何とかなると思っていたのですが、これで終わらないのがこの元気な中高年集団です。
状況がおかしいな、と思い始めたのは、ある方が「事前に集まって練習しよう!」と言い出したころからでした。

近所の公園に集まり、「10kmのビルドアップ走をやる!」と言われたときに、騙されたことに気づきました。
この人たち、全然Fun Runじゃない。目一杯頑張って一分一秒でもタイムを上げることを追求するやばい集団だ、と。

私もこの野球チームに入り、ちゃんとした活動を始めたのはまだ半年ほどだったので、この人たちの本質を知りませんでした。
正体は、筋金入り体育会系、いわゆる昭和だったのです。

案の定、大会当日、キロ5分40秒などという甘いペースではありませんでした。トップバッターが1周6分30秒、キロ4分20秒というタイムで回ってきました。キロ4分20秒とは、マラソンを3時間で走るペースです。還暦なのにありえない!
このペースに乗せられ、みな自分の出せる力限界まで走らされてしまいました。

私も1周6分40秒からスタート。他の方が5分台などの記録を打ち出してくると、私もさらに乗せられ6分10秒台に。完全にオールアウト状態になってしまいました。

昭和の社会はこんな風だったんでしょうね。

はじめは軽い気持ちで乗せ(入社させ)、厳しい感じのトレーニングを当たり前に始め(厳しい課題を課していき)、最終レースでは先頭から限界までブッ込んだペースで飛ばす(全社員が限界ギリギリのペースで売り上げ拡大を達成していく)。

やっぱり、高度成長期からバブル経済まで、会社を拡大させるには、社員に自分の限界まで力を引き出させることが日常だったのでしょう。
リゲイン必須、昭和は厳しい時代だったのですね。

しかし、こんな限界まで走らされたというのに、レースが終わってみると楽しかった。
また走りたくなってしまう私も、立派な昭和なんでしょうか?

秩父で山に登るIT経営者より

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